たるみやシワをケアするにはどのような化粧品を使ったらいいのでしょうか。
化粧品の成分にはいろいろの種類があります。どの成分がどのような症状に効くのか、どのような形でその成分をとっていけばいのかを考えてみます。
シワの中には乾燥によってできるごく浅いちりめんジワがあります。このようなシワは、保湿をすることで消える特徴があります。
けれども、保湿しても消えないシワはコラーゲンの減少が原因です。
そしてたるみもシワと同じように、コラーゲンの減少や変性によって肌の弾力が失われることによって起こります。
たるみやシワのケアには、コラーゲンを増やすことが大切です。
1 コラーゲンを増やすために
コラーゲンはタンパク質からできた繊維で、真皮の中に網目状に張り巡らされています。
エラスチンは、コラーゲンをつなぎとめる繊維です。
ヒアルロン酸は、コラーゲンやエラスチンの網目の間を埋めるゼリー状のものです。
このコラーゲンが減少したり変性すると肌の弾力が失われてたるみやシワの原因になります。
その時の肌の状態が下図です。
たるみやシワの対策としては、コラーゲンを増やし、肌の弾力をキープすることが大切なのですが、どうしたらコラーゲンを増やすことができるのでしょうか。
コラーゲンを直接肌に塗っても、分子が大きいため肌の真皮までは到達しません。化粧品に使われているコラーゲンは、角層の保湿としては有効ですが、肌のコラーゲンとしては定着しません。
そのため、コラーゲンの入った化粧品を直接肌につけるよりも、コラーゲンを増やす成分のある化粧品を使うことがコラーゲンを増やすことにつながります。
コラーゲンを増やす成分とは、「ビタミンC誘導体」「ナイアシン」「レチノール」などです。
2 「ビタミンC誘導体」配合化粧品
ビタミンC誘導体とは、ビタミンCを肌に浸透しやすい形に変えた美容成分です。
ビタミンC誘導体は体内のコラーゲンを作るためには必要な成分です。また、抗酸化作用・美白作用・ニキビケアなどの効果もあります。
ビタミンC誘導体は水に配合した方が安定するため、化粧水に配合されている場合が多いです。
■「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)」(両溶性)
■「イソステアリルアスコルビルリン酸2Na(APIS)」(両溶性)
■「アスコルビン酸グルコシド」(水溶性)
■「リン酸アスコルビルNa」(水溶性)
■「リン酸アスコルビルMg」(水溶性)
■「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」(油溶性)
■「アスコルビル酸エチル(ビタミンCエチル、3-O-エチルアスコルビン酸)」(水溶性)
などと表示がされているものがビタミンC誘導体です。
水溶性のビタミンC誘導体は、水に溶けやすいため即効性が高いですが、持続性はあまり高くありません。
油溶性のビタミンC誘導体は即効性はありませんが、持続性がありお肌になじみやすい特性があります。
両溶性のビタミンC誘導体は水溶性と油溶性の両方を特徴を併せ持つ新型ビタミンC誘導体です。 従来のものよりも、数十倍の浸透性があると言われています。
ビタミンC誘導体は肌を乾燥させるので、乾燥肌の方は「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」など低刺激な油溶性ビタミンC誘導体の方が適しています。
ビタミンC誘導体を美容成分に含む化粧品にはどんなものがあるのか、
「たるみ・シワ・シミに注目のビタミンC誘導体配合の化粧品紹介」
で紹介しています。
3 「ナイアシン」配合化粧品
ビタミンCと同じように、コラーゲンの合成を促進したり、肌の代謝を活性化する働きがあります。
ナイアシンは、ビタミンC誘導体や次に紹介するレチノールよりも刺激が少ないので、ビタミンC誘導体やレチノールが合わない方に向いています。
ナイアシンはビタミンC誘導体と同じく水溶性なので、化粧水や美容液に配合されていることが多いです。
4 「レチノール」配合化粧品
レチノールはコラーゲンやエラスチン」の合成を高め、皮膚のターンオーバーを早める効果があるとされています。
コラーゲンやエラスチンが増えることでシワやたるみの改善に効果が期待でき、ターンオーバーが早まることでシミやクマ、ニキビ跡の改善にもつながります。
レチノールは油溶性なので、美容液やクリームなどに配合されていることが多いです。
■「パルミチン酸レチノール」
■「酢酸レチノール」
■「レチノール」
などと表示されています。
また、ナイアシンは日光や熱に当たると効果がなくなっていくので、夜のスキンケアに使うのか効果的です。
レチノールは効果が期待できる反面、肌がカサついたり、赤くなったりすることがあります。その場合は、ビタミンC誘導体やナイアシンを使うのがおすすめです。
→→ レチノールのシワやシミへの効果と注意点・おすすめ化粧品3点
5 コラーゲンを食べたり飲んだりした場合
以前はコラーゲンを食べたり飲んだりしても、消化されてアミノ酸になり、小腸で吸収されてしまうので、摂取したコラーゲンがそのまま体内でコラーゲンになるわけではないと言われていました。
けれども最近、条件がいろいろあるものの、コラーゲンを摂取することの効果が論文で発表されています。この研究では「ペプチドコラーゲン」が取り上げられています。
論文の内容に対してわかりやすく解説してくださっているサイトがあります。こちらを見ると内容が分かりやすいです。
→→ 「はませい先生のブログ」
論文は
■2015年2月 3日更新論文発表「コラーゲンペプチド経口摂取(2.5g/日)によるヒト肌の改善に関する論文」
■「コラーゲンペプチド経口摂取による加齢モデルラットでのコラーゲン組織形成促進効果」
6 まとめ
たるみやシワなどの改善のためにコラーゲンを増やすには、「ビタミンC誘導体」「ナイアシン」「レチノール」の美容成分が効果が高いといわれています。
ただ、これらの成分はお肌に合わないこともあるので、使用には十分注意しましょう。
これらの成分についてよく知り、自分に合った化粧品を見つけたいものです。